いつか愛せる

DVのその後のことなど

ウェルビーイング

 企業でウェルビーイング(Well-being)の取り組みが流行っているそうで、所属部署でも2か月おきにミーティングがある。担当する上司は毎回テーマ設定に苦心しているよう。

これまでに「コロナ時代の幸福経営学」という動画を見たり、「アンガーマネジメント」の講師を招いたりしてきた。

 

 なんか懐かしいぞ・・・これ、私は20年前に仕入れた話ばっかり。

DVから立ち直ろうとしてメンタル系の本etc.を読みまくったから、知らないうちに色々と普遍的な内容を仕入れていたんだなあ。

 今年は職場で「アサーティブ」と「アンガーマネジメント」と「サンクスカード」のどれを実施したいか? と決をとることになった。

 私は「アサーティブって・・・必死にやったなあ」と遠い目になる。内容はもうよく覚えていないものの、日常で役立つ程度には身についていると思う。

主語を「私」にして考える習慣があるお陰で、自分の意志の在りどころを見つけやすい。それでも優柔不断な性格はなかなか治らないけれど。

 

 上司に意見を求められたので「昔、アサーティブの本は読みました」と言うと、「へえ、どんな目的で読まれたんですか?」

「仕事じゃなくてプライベートです~」

 別に隠す必要ないとは言えリモート会議で「DVを克服するために」なんて言ったら空気が凍りそうで。そうならないよう手短&明るく説明するのも難しいし「あんまり聞かないでください」風オーラで誤魔化した。

 

 結果、多数決でアンガーマネジメントに決まる。多数派の意見では「アサーティブはピンと来ない」「サンクスカードは面倒くさい」とのこと。仕事でイライラすることがあるから「アンガーマネジメント」を選んだらしい。

アンガーマネジメントの講習では「まず6秒待って怒りを鎮める」とか「ペンなど手近な物に集中する」などのテクニックに関心が集まった。

 

 私はアンガーマネジメントも20年前に、夫のために読んだ。その場から離れるタイムアウトは立場が逆だけれど私が実行した。(当たる相手が消えればおさまった)

 知識として役に立つが、私自身には不要。カッとなるどころか感情を抑えこむタイプだから、むしろ怒るべきタイミングで怒れず後悔したくらい。

でも今や夫から「そんなに怒るな」と言われたりするから、抑える癖は治ったのかな。

 

 そんなわけで懐かしく聞き流す。私の役に立ったウェルビーイングのミーティングは、社内ツールやメールのちょっとした工夫や悩みの共有。なにしろ新しいことに着いていくのが本当に大変で…

「メールの署名欄に定型文を複数登録して使い分ける」なんていう同僚に感心した。あれは真似しよう。

 

 私が就職したころはまだモーレツ社員と呼ばれる人種がいた。今でいう社畜と違って自ら進んで仕事をしまくる人たち。あの人たちがウェルビーイングを知ったら「なんだそりゃ?あまっちょろい!」と思うだろうな。

 企業が個人の幸せに配慮するのは間違いなく良いこと。でも昔と今の働き方は相対的にどちらが幸せなのだろう。

好景気の元で当たり前にサービス残業するのと、不景気の元ウェルビーイングを考えながらほぼ定時に帰れるのと。

私は低収入でも今の状況でいい。そうでないともう体を壊す。