いつか愛せる

DVのその後のことなど

阪神淡路大震災のニュースで思い出した人

 阪神淡路大震災から28年のニュースが目についた(テレビは手放したのでネットのニュースで知る)

大切な人を失った体験談がいくつもあり、どれを読んでも切なくなる。この季節がトラウマになっている人も多いだろうと思った。

「足りない記憶」↓ に書いた通り、私は当時の記憶があまりない。

https://manaasami.hatenablog.com/entry/2022/10/02/090000

だからどんな悲劇が起きたのか、まったく知らなかった。

 

 今回いくつかの記録を読んで、昔、掲示板で出会った男性のことを思い出した。彼がDVに走ったのは、阪神淡路大震災がきっかけだと聞いていた。

詳しくは知らないけれど、彼が引っ越す前にいた地域が大きな被害を受けたらしい。たくさんの大切な仲間が住んでいる場所。だから彼は、何度もその地に通った。

幼いお子さんを抱えた妻さんは当然反対しただろう。自分だって不安なはずだ。でも彼は家族の声を聞く耳を持てなかった。それがDVのきっかけ。

 私は当時の状況をそこまでしか聞いていない。被災地のことを何も知らなかった私は、彼の状況を想像も出来ていなかったと思った。

 彼がただ友人たちの心配だけで通うはずがない。大きな被害をうけた地域ということは、大勢が亡くなったということだ。そこに通うということは。

行方不明の仲間たちを探す・・・何人かは遺体で見つかり、何人かは家や家族を失い、何人かは行方知れずのまま。そんな状況だったはず。

 たまたま引越していて助かった彼は、全身全霊で仲間のために動き続けたに違いない。それも1週間や2週間では済まない。助けになりたければ年単位になってしまう。

通常の精神状態ではいられない。止めようとする家族を邪魔にさえ感じただろう・・・

 

 知り合ったころの彼は精神的に落ち着き、離婚を回避したくて様々な状況に耐えていた。お子さんたちの世話をして、不慣れな家事で困り、掲示板の女性たちが料理や洗濯の知恵を提供したりもした。

 kさん・・・・・お元気ですか。もうお子さんたちも成人されたころですね。

 

 災害は亡くなった方々とその家族だけでなく、もっともっと多くの人の運命を変えてしまったと思う。