いつか愛せる

DVのその後のことなど

義父のための施設見学

 義父が入居する施設の下見に行ったこと。これは義母がやんわりと余命宣告された翌週だった。ずっと自宅療養状態だった夫が義母のために病院に行った。それがきっかけになったのか少し外出できるようになり、一緒に施設見学にいくことができた。7月の暑い日だったが、久しぶりの行楽のようで少しうれしかった。

 1件目はA社、全国に施設を持っていて本社から担当が来て説明してくれた。私たちが実際に見たのは市内にある「介護付き有料老人ホーム」。建物は古いが中はリフォーム済みできれい。食事の写真も美味しそうだったし、様々な行事もある。月に2回までは無料で入居者を通院させてくれるサービスがある。

同じA社で隣市にも複数の施設がある。そちらは「住宅型有料老人ホーム」で、こちらは看護師さんが日中は常駐している。住宅型というのはマンションと同様に部屋代を払い、その他に施設での介護やヘルパーさん利用料金を払うとか。料金の仕組みが違う。

 義父の場合は隣市の住宅型の方が合っていそうだと説明された。金額も市内より隣市の方が少し安い。具体的な金額も細かく出してくれて好印象。ただしどちらも数人の順番待ち。私たちは、隣市のふたつのホームへの順番待ちの申込用紙をもらった。

 ありがたいことに、A社の場合は身元引受人の収入等を問われない。働いていない夫でも身元引受人になれた。(夫は両親が病院に入院する際は絶対に自分と私を身元引受人にしなかった。でもこの時には観念した。身元引受人不要の施設はあまり無いので選択肢が極端に減る)

            

 別の施設の見学予約時間までかなり時間がある。暑い中を歩くのは辛くてファミリーレストランで休憩。夫がトイレに行く際によろけたのに、私は施設に電話していて気付かなかった。やはり無理はしていたらしい。

 2件目も市内で、前年に出来たばかりの施設。所長さんが自ら案内してくれた。とても良い人で気に入ったけれど、残念ながら義父の状態には合わない。自立した人をメインにしていて、介護度の重い義父が入居すれば料金がかさんでしまう。

 状況を知った所長さんは、まったく別会社であるすぐ隣の施設に電話し、紹介してくれた。損得なしの行為でありがたかった。隣の施設も急な来所にかかわらず案内してくれた。

そちらも悪くは無かったが、予算オーバーだった。この場所なら自転車で来られるのに、そもそも見学候補にしなかったのは高いからだと思い出した。

 帰宅後もやることは盛りだくさん。

ソーシャルワーカーへの連絡

自治体の法律相談の予約

・義父の入院費をおろす

・ホームの順番待ち申込用紙記入

・義父の取引銀行の証書の確認

 

 義母は余命宣告で義父は退院を急かされ、実家の売却は手付かずという切羽詰まった状況。それでも夫の状態が一時的に良くなり、久しぶりに一緒に外出できたうれしい記憶として残っている。