いつか愛せる

DVのその後のことなど

実家売却の進捗と不穏な夫の高笑い

 家屋の名義人である義母の了承を得ていないものの、義実家売却の話は進んでいた。もしあの親切な司法書士さんと知り合わなければどうなっていたことか。

 この話の続きです。↓

manaasami.hatenablog.com

 通常の土地の売却は、先に家屋を取り壊してきれいに整地し測量もする。売値を決めて不動産屋から売りに出し、買い手がつくのを待つ。買い手が現れなくても値下げするなどして待つしかない。

まず売りに出せる状態にするのに何百万もかかる。物の多い家なので廃品回収も大仕事のはず。この時点で私たちには資金的にほぼ無理。

 さらにいつ売れるかわからないので、その間に義母が亡くなってしまう可能性がある。すると家と土地は認知症の始まった義父の名義になり、後見人無しでは売却出来ない。余分なお金も時間もかかるし、義父のお金を一円でも使う度に後見人の許可が必要になる。ものすごく面倒になると知った。

 さらに夫は「俺は相続はしない。実家は放っておけ」と宣言をしていた。それでは夫の実家は持ち主不在の汚屋敷と化すし、義両親は資金不足でまともな施設に入れない。だから何としても義母の存命中に売りたい私は焦る。

 司法書士のAさんは現状のまま買ってくれる不動産屋を紹介してくれた上に、何かと間に入ってくれた。不動産会社から買取金額が出たときには、Aさんは申し訳なさそうに金額を伝えてきた。それは私が他の数社からとった見積金額の半分しかなく、私もがっかりした。ただし取壊し料その他、すべてを差し引き即金で入る手取額なので、それが妥当な金額。

 夫に報告して「それでお願いします」と答えたけれど、Aさんは「もう少し色をつけてくれないか掛け合います」と言ってくれた。あとは義母を説得しAさんを病院に呼び、売却の意思確認をしてもらう。(この時点で義母の了承が無かったことは、Aさんに伝えていない)

             

 役所の分局からの感じの悪い電話で私が切れかかったのと同じ日のこと。仕事中に夫から電話があった。介護が始まってからは、私は仕事中も首から携帯電話を下げている。でもその時は会議中で出られず。終わってすぐ留守電を確認すると、夫のメンタルがまずい状態になっている。

 留守電には夫の高笑いが入っていた。それから「誰も自分を助けてくれない」という声。業務時間中だったけれどあわてて電話した。夫はいざという時は頼りになるが、いざでない時にはよく周囲を振り回してくれる。

(両親のことを相談したくて親戚に電話したが、誰一人電話に出なかったとのこと。両親の兄弟もそれぞれ高齢だから無理もない)

当時は夫の高笑いの感想を持つ余裕も無かったけれど。ショックを受けたときに高笑いする人って、本当に居るんだよね~と思う。

現在「あしたのジョー」ロスに陥っている私は、夫の高笑いもジョーっぽいなと思い出す。

わ——————っはっはっはっはっはっは・・・というあれ。

喘息持ちの私にはやろうとしても出来ない笑い方。夫もジョーの声のあおい輝彦さんも、結構な肺活量の持ち主か。