いつか愛せる

DVのその後のことなど

昔、高速道路でエンストした話

 来年以降の旅行に思いを馳せた。とにかく長距離移動は夫が無理。いつでもトイレに行ける環境が必要。車はとっくに手放したし、そもそも短気だから運転してほしくない。電動アシスト付き自転車で行ける超近場も考えなくては。

           

 そういえば結婚する少し前、車で恐ろしい目にあったっけ。夫の車は修理中で、私の実家のMT車で群馬の友人宅に行った帰りの話。30年以上前なので、車のシステムが今とはかなり違うかも知れない。

 その日は雨が降っていた。エンジンオイルランプが点灯したので、ガソリンスタンドに寄ってオイルを補充。なのに走り出すと間もなくまたにランプが点灯した。

「満タンのはずだよね。きっとランプの故障だね~」

詳しい人ならここで気付いたのかも知れない。そのままにしちゃ🥵駄目! でも私たちは高速に乗ってしまった。しばらくは問題なく走行。ランプは点灯したまま。

 夫(←結婚前だけど)が「あれ???」と声を出す。突然、エンジンが止まった! 原因はオイル切れによるエンジンの焼きつき。ランプの故障ではなく、どこかにヒビが入ってエンジンオイルが漏れていた。運悪く雨で道路が濡れていたため、気付けず。

 100キロ以上は出していたと思う。急に速度を落とすのは危険なため、夫はクラッチを切りニュートラルに入れて惰性で走った。その際、ハンドルがロックされてしまった! 私は知らなかったけれどそういう仕組みらしい。つまり、真っ直ぐにしか進めない。路肩に止めなくてはいけないのに。

幸いにも、夫の野生のカンが働いた。エンジンをかける時と同じようにすれば、ハンドルロックが解除されるかも知れない。それは正しかった。一度キーを抜き、もう一度キーを回してセルを動かすと、😆ハンドルが動くようになった。ただしものすごく重い。我が家の車はパワーステアリング付きだったけれど、エンジンが切れるとそれも切れる。(通称:重ステ)それなりの腕力がないと回せない。

 追い越し車線を走っていたので、少しずつ左に寄っていく。バックミラーには後続車が見える。もし後続車が多ければ、確実に追突される修羅場。

エンジンが切れているため何の振動もなく、車はすべるように進んだ。さらに、エンジンが切れるとブレーキの効きも悪い。注意深くスピードが落ちるのを待って、何とか路肩に止めることができた。

            

 JAFを呼ばなくては。まだ携帯電話は持っていないので、道路にある公衆電話まで歩く。JAFは牽引してくれることになったけれど、高速道路を降りるところまでだという。仕方なく了承。

車が止まったのはカーブが終わった場所から近かった。つまり後続車から見えにくい位置。かなり手前に三角表示板を置いたけれど、それでもぶつけられる可能性はある。「車から降りていた方がいい」と、雨の中に出た。傘をさして路肩でJAFの到着を待つ。

 JAFによる牽引は比較的楽だった。専用の機材で車をひっかけるから、牽引される側はハンドル操作だけでいい。大変だったのは、高速を降りて馴染みの車屋さんに地元まで牽引してもらった時。

なんと車と車をロープで繋いだだけで引く。ロープの長さは3メートル程度だったろうか。何しろハンドルもブレーキも極端に重い。引いてくれる車が信号待ちで普通にブレーキを踏むと、ブレーキランプを見て夫もすぐさまブレーキを踏む。でもすんなり止まらず、前の車と衝突すれすれになる。私は手すりをガチっと握り、ブレーキや右折左折の度にぎゃあぎゃあ😭悲鳴をあげていた。本当に本当に怖かった。

 でも振り返ってみると、よくぶつからなかったなあと思う。命があることに感謝するしかない。ちなみにエンジンの逝かれた車の修理代は、私が全額出した。