いつか愛せる

DVのその後のことなど

ドメスティックバイオレンスからの回復

被害にあった理由を知りたい気持ち

以前に取り上げた事件の続報が出ました。10代のころ性的暴行を受けた女性の件ですが、実父が起訴されたそうです。 父親に法廷で問いたい「なぜ私だったのか」実父の性的暴行訴える24歳女性 苦しむ人たちの“道しるべ”に https://news.yahoo.co.jp/articles/2b…

修羅場の記憶と食べて乗り切ること

夫が無音だと眠れないタチなので、毎晩動画を回しっぱなしです。私が今朝目を覚ますと「孤独のグルメ」のゴローさんの声が聞こえてきました。性格の悪い顧客に腹を立てたゴローさんが仕事を断ったところです。「ハラが立ってもハラはへる」と言って食事に向…

共依存の概念を知ったとき

今週のお題「大発見」 楽しい話ではないけれど「お題」に参加してもいいですか? 古い話で私の運命を変えた大発見です。25年くらい前のDVまっただ中に「共依存」の概念を知ったこと。実は発見ではなく教えられたのですが、一度拒否してから自分で発見し直し…

「回復」の定義を模索してみた

読んだ本の内容を思い出して、また頭が刺激されています。以前は当り前に使っていた「回復」という言葉を、考え直しています。回復に抵抗を感じる当事者(暴力で心身に傷を負った人)があると知っているので、理由を考えていました。 ◆「回復」を嫌う理由 先…

「歪な愛の倫理」の感想その②

読書感想の続きです。その①はこちらです。↓ 文体自体も変えてしまっていますね。一貫性がなくてすみません。 ◆これまでの専門書との違い 「歪な愛の倫理」は「絶対に離れる方がいいのに暴力関係から離れない人」たちについて、第三者に理解と対応を考えさせ…

加害側になってしまうことを想像する

スランプらしき状態で、介護の話の続きもこのブログの目的である本を書く話もピンと来ず。でも本の下書きは何とか続けたいので、それに近い話題を書きます。 ◆加害側になってしまうこと 表現するということは、誰かを傷つけることだと最近どこかのブログで読…

例え落書きでも責任があるのでは?

またしても、SNSの攻撃が最後の一撃になってしまったかと思われる事件がありました。亡くなった方のことが残念でなりません。 私がブログを書く以外に一切のSNSをやらないのは、面倒なだけでなく雑音が大きすぎて扱う自信がないからです。でも、20年くらい前…

「本を出したい人の教科書」より

本日、図書館に返却しなくてはいけない本の内容を、一部書いておきます。ブロガーの中には書籍化したいと考える方もあると思います。本を作るとは自分と向き合うことだと書いてあり、なおさら興味が湧きました。 本を出したい人の教科書 ベストセラーの秘密…

DVと宗教と傍観者と戦争とクリスチャン・ジョーク

年をまたいで書き続けている記事ですが、今回は脱線ばかりの雑談のようになりました。下記記事の続きです。 引き続き、矢川さんのブログからの引用が青文字で、その他は赤文字、私自身は黒文字です。 DVと宗教問題については私は傍観者の立場でしかない しか…

支援の場との相性と、支援で感じた悔しさ

2つ前の記事の続き。お返事の形ではありますが、勝手に書かせていただいています。 今回も、青文字が矢川冬さんのブログからのコピー部分です。かつて自助グループでも、こんな風にテーマや他者の話を自分に引き付けて話したな、と思い出しながら書きました。…

DV女性が「動かない理由」と「愛」

下記記事の続きです。元は私の著書の感想を書いてくださったブロガーさんへの返信でした。でも私の記事がご負担になる可能性もあるので、通知が行かないよう直接のリンクは貼りません。 刺激をいただけて、自分の考えを整理するチャンスになったので続きを書…

教科書通りにできない不安

普段は行かない図書館に、一度行くと通い出す。本を返しに行くとまた借りるから。今は趣味や娯楽の本を読む余裕がない。私は本を出す野望があるので、勉強のために借りた。 本を出したい人の教科書 ベストセラーの秘密がここにある 作者:吉田浩 講談社 Amazo…

強力な自我にも影響はするらしい

夫からとても意外な話を聞けた。夫が私から「影響された」という話。え! 私に影響を受けたの? あなたが??? 一緒に暮らせば影響をうけたり与えたりするのが、普通は当たり前。でもずっと我が家は別だと思っていた。(月下美人の花言葉は「強い意志」) ◆…

トラウマな記憶とそうでない記憶

年末の大掃除というわけでもないのに、夫が古いデータや動画を掘り起こしてきた。まずは夫自身の写真。若い。そして茶髪だ。「これいつごろの?」「30代だな」「この髪形は覚えてないわ」「結婚後だぞ」「あー私そのころの記憶無いんだよね」 ★記憶に無い夫…

矢川冬さんがくださった感想へのお返事

ブログ「その後を生きる、矢川冬の場合」の書き手である矢川さんが、私の古い著書を読んだ感想をあげてくださいました。ですのでこの記事は、私から矢川さんへの書きかけの手紙のようなものです。 yagawafuyu.hatenablog.com 矢川さん、真剣に読んでくださっ…

「歪な愛の倫理」の感想 その①

「歪な愛の倫理」を読み返して感想を少しずつ書こうと思う。私は一読では咀嚼しきれない。だってこれ、哲学の範疇だよね。でもかなり心惹かれている♡ 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか (筑摩選書) 作者:小西真理子 筑摩書房 Amazon 自…

「歪な愛の倫理」を読んだ

図書館にリクエストしていた残りの本が入ったので読む。著者の前作「共依存の倫理」よりは、素人の私にも読みやすかった。 歪な愛の倫理 ――〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか (筑摩選書) 作者:小西真理子 筑摩書房 Amazon サブタイトルの<第三者>は…

「人生の棚卸し」ノートを見つけてサンタを思う

年末も近いことだし、物を減らしたくて片付け物に着手した。で・・・見つけた。B6サイズの小さなノート。開くと私の文字がびっしり。何だこれ、あれだ。DVの渦中にいるときに書いた「人生の棚卸し」↓ に使ったノート。 あら。仕事の帰りに駅のベンチで書いた…

まず自分をゆるす

参考になる言葉をいただけたことだし、自分が出したい本の下書きになる予定の記事を書く。矢川冬さんがおっしゃったのは「正しい許し=自分を許す」ということ。私はまだ「赦す」と「許す」の使い分けの整理がついていないので、あえて平仮名で「ゆるす」と…

緊急事態の継続は脳の勘違いを引き起こす

昨日の記事の中で、「長いこと脳が緊急事態を継続していると、それが平常モードだと脳が勘違いを起こす」と書いた。私は治療は受けていないので、単なる私見。実は脳の勘違いという言葉は、夫の通院先で聞いた。今日はその話。 日本中が忘れられない3.11…

脳みそが臨戦態勢だったらしい

昨日の記事で、過去に私が(恐らくトラウマのため)フリーズしてしまった話を書いた。私はもうそんなことはないけれど、人によっては何十年も引きずるし、一生治るかどうかもわからない。だから、誰もが時間経過によって治るという誤解を招きませんように。 …

偏見がひとつ減った経験

20年以上前、DV経験をふり返ってひたらす綴っていたころのこと(その原稿が自分の本の元になった)。私は休日ごとに女性センター付属の図書室へ行き、あるいはド⚪︎ールコーヒーにノートを持ち込んで書いていた。そんな時のこと。 ド⚪︎ールのカウンター前で数…

ゆるしを考えるのが無駄な時期

DVの渦中から、なぜ夫を「ゆるそう」「ゆるさなくては」と思っていたのか。そこから書いてみようかな。あくまでも現在の私が当時の私を分析するので、リアルタイムで考えていたわけではなし。 (念のため被害当事者の方へ。暴力の描写はいっさい書きませんが…

「forgive」か「forget」か

ゆるすことの実体験を書き始める前に、また寄り道している。ブログを始めて、すでにふたりのブロガーさんから「ゆるせないから忘れる」という言葉をお聞きした。 なるほど。忘れられればOKだと思う。「忘れる」のはゆるすことの重要な要素のひとつじゃなかっ…

書き出せない理由から書く

出したい本の下書きを書き進めようと思ったのに、肝心な部分をなかなか書き出せない。ならば書きにくい理由を書こうと開き直る。とりあえず今までに書いたゆるし関連の記事を拾ってみた。書きたいことそのものでなく、周囲にあるようなことしか書いていない…

そこ(共依存)に愛はあるんか?

久しぶりに図書館へ行った。読みたい本のうち1つは在庫あり。論文に私の著書を引用してくださった小西真理子さんの「共依存の倫理-必要とされることを渇望する人びとー」。これは論文から4年後の2017年に書かれたので、小西さんの現在の考えや目指すもの…

とにかく書かなきゃ本にならない

漠然と「本の続きを出したい」と言っても、原稿はまだ出来ていない。ブログに下書きのような文章を80本以上UPしただけ。 でもおかげで書きたい事がはっきりして、当初考えていたより盛りだくさんになってきた。やっぱり私は、頭の中だけでは理論や文章の組み…

望みを言えない女の子

共依存の記事を書いて思う。多分、もともとの私は、人の世話に明け暮れる共依存の状態に陥りやすいタイプ。もちろん病的だったとは思っていない。周囲を振り回すタイプの夫との相性でハマっただけ。 ところで、共依存に陥りやすいタイプとはどういう性質かと…

論文から共依存⑤第三者にはわからない

昨日の記事を読み返して気付いたことを書いてみる。小西さんは論文内で、私が「シェルターを勧められたが受け入れることができなかった」と書いている。 うん、支援や研究をする立場からはそうなるよね。シェルターへ逃げることが正しいのにそれに従えなかっ…

論文から共依存④肯定的な要素?

小西真理子さんの論文から、共依存について考える話の続き。前回の記事はこちら。 論文の全文はこちら↓「共依存」再考―フェミニズムによる批判の検討― https://www.jstage.jst.go.jp/article/rinrigakukenkyu/45/0/45_123/_pdf/-char/ja 今回は論文の中のこ…