また父に面会しに行きました。この話の続きです。↓今月、父に一時帰宅してもらうことを念押しするためでした。
◆母の心配 私は「すぐに一時帰宅だから行く必要ないのでは?」と思いましたが。そこを病院だと思い込み「12月28日に退院する!」と言い張っていた父です。帰宅したら施設に戻らないと言うのでは?と、母は心配していました。一時帰宅する予定自体を忘れている可能性もあります。母は私に念押ししてほしい様子でした。私もやや心配なので行くことにしました。また「退院する!」と言われたらどうしよう・・・
◆父の様子 ところが「一時帰宅は15日に決まったよ」と伝えても、父は退院とは一言も口にしませんでした。「15日か」と言うだけです。午前中に迎えに来て、家でお昼を食べ夕飯に間に合うように戻ると説明しました。私は父の様子を気にしていましたが、結局父の内面はわかりませんでした。父は、自分が12月28日に退院すると決意したことを忘れているのだろうか? それとも、諦めて一時帰宅に同意したのだろうか? 先週のように涙目にはなっていませんでした。
(カランコエの花言葉は「幸福をつげる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」など)
◆必要なもの 母が「何か必要なものある?」と聞いた時、父は言葉を思い出せないようで。はじめは「電話をかける時の・・・」と言いました。父は携帯もスマホも持っていないし、テレホンカードも違うようです。次に「髭を剃るとき」や「バッテリーが無い」と言います。私たちが正解を引き出そうと質問を繰り返すと「部屋に戻って取ってくる」と言いました。スタッフに同行してもらい、取ってきたのは電動ひげ剃り。電池切れになったとわかりホッとしましたが、父の言語機能が衰えているのを実感しました。でも髭はさっぱりしています。どこでひげ剃りを拝借したのかその辺はしっかりしていました。
◆父のプライド 父が電動ひげ剃りを取りに行く動きが、体の刺激になったのでしょうか。面会室に戻った際、父のズボンが濡れていることに母が気づきました。普段はリハビリパンツを使っているとスタッフに聞いていましたが、その時はつけていなかったようです。指摘すると、父は椅子の上で足を組んで濡れている辺りを隠しました。私は自宅にいたころ、父のために母が苦労していたことを思い出します。一方、父が衰えてもプライドを失っていないことには安心しました。ズボンが濡れたまま冷えて寒くならないかと心配しましたが、父は足を組んだまま「大丈夫だ」と言いました。
◆期待と不安 退院すると言われなかったことには安心したし拍子抜けしました。私は数年ぶりの一時帰宅を父に楽しんでもらいたい一方、緊張もしています。父を何もできない人であるかのように細かく手を出す気はありません。父も望まないはずです。私は義両親と同居はしていなかったので、身体の介護はどうせ経験値もありませんし。
安全面だけでなく、自宅に来てから「もう退院した」と言い出すつもりなのか?という不安が頭をかすめます。でもとにかく無事に過ごしてもらうこと、父の言葉を聞くことに全力をつくします。