いつか愛せる

DVのその後のことなど

やったことのあるアルバイト「エキストラ」

 今週のお題「やったことのあるアルバイト」で、ちょっと変わっていたのはドラマや映画のエキストラ。実はその時すでに社会人で、やったのは数回休日のみ。今と違って多くの会社は副業禁止だったから、職場には内緒。

 事前に登録しておくと、撮影の数日前に電話がくる(今なら一斉メールかな)

「○日△時 場所はXXに集合 役は・・・です。来られますか?」という感じ。先方は大勢に電話しているだろうし、忙しそうな口調。時には失礼なことも聞かれる。

「女子高生の役だけど、あなた23歳だよね。大丈夫? 女子高生に見える?

タメ口だし、容姿のことまで聞く? まあ、そういう業界だから仕方ないのか。

 衣装の学生服は現場で配られてロケバスで着替え。当時の私は痩せぎすだったのでスカートが緩かった。学生鞄も渡されたけど、真面目に見え過ぎない方がいいらしく監督(?)が「それでいい」と私の私物を指したので、自前のバケツ型バッグで参加。エキストラに台本などは無く作品名もわからず。(主役は小林幸子という話だった)

            

 別の日は調布のスタジオ。役はボクシングの観客なので、様々な年齢のエキストラが大勢。作品は「このこ誰の子?」というドラマ。観客席に座り、スタッフの指示で「こっちを見てください」と目線を動かしたり、ハラハラした表情を要求されたり。主役は不在だったけれど、キャストの某ジャニーズの○○君は見た。これは長丁場で昼のお弁当も出た。ただし俳優陣は室内で食べ、エキストラは広い庭で。ちなみに放送は見ていない。

 

 また別の日は原宿のロックンローラー(若い人わかるかな?)。スタッフがロケバスのダンボールから適当に衣装を出す。派手なワンショルダーとフレアスカートを渡された。運転手(男性)はバスに乗ったままだし、着替え中に振り向かれたらどうするの。それに2月にワンショルダー着るの? それ用の下着で来てないし無理! 勝手にダンボールを漁って長袖を羽織った。その程度の対応力は無いといけない世界だと実感。

幸いローラーの格好をしただけで踊らされず、フラフラしているだけで済む。端役らしい若いカップルの撮影風景を眺めた。その後は私服に戻って通行人の役。原宿だから派手目の服で行ってよかった。

作品は「大都会25時」という刑事ドラマだと聞いた気がするけれど、未確認。

 

 どれも業界を垣間見てちょっと面白かった。定年後に趣味と実益を兼ねて頻繁にやっているという熟年の人もあり。そういう人は、早く終わると掛け持ちで移動していた。夫婦の参加者もあった。好景気でいい時代だったかも。

ギャラは当日現金払いで、1本が3千円前後くらい。内容や拘束時間にはまったく関係なし。早朝から夜までかかった仕事より、2時間で終わった仕事の方が高かったりもした。その辺も何となく芸能界らしい気がする。

 その場で仲良くなった人と帰りにお茶したこともある。交通費も考えたらほとんどプラスにならず、経験値だけを得た思い出。