いつか愛せる

DVのその後のことなど

LGBTQを知らなかったころ

 タレントのりゅう○ぇるが亡くなったニュースで少なからずショックをうけた。詳細は明かされず自殺らしいと報道されている。他人が原因について述べるのは傲慢だと思うし、本当の理由がわかるはずもないので追求する気はない。

以前に、彼(彼女?)と同じ状況の人がいたと書いた↓

   だから私は、彼らのカミングアウトはDVを含めた不幸を回避する手段だと捉えた。でも今度は別の不幸を背負ってしまったのかな・・・・・

私はLGBTQについて今もほとんど見識はないし、当事者と出会うまでは存在しないのと同じだった。20年前に自分のサイトを作って掲示板で自助をやっていた時に、初めて知った。

            

 りゅう○ぇると同じLGBTQの「T」に該当する人の他に、「G」に該当するらしい人とも出会った。らしいとしか言えないのは、彼がそのことをカミングアウトせずに生きていて、匿名の掲示板で打ち明けた時ですら、明確な表現を避けていたから。

 その人をAさんと呼ぶ。AさんもDV加害者を名乗って来られた。文章から真面目な人柄が読み取れた。漢字が多い文体から、日ごろ論理的な文章を使う人だと思われた。ご本人は「説明しすぎて文章が長くなってしまう」と恐縮して、よく書き直しているようだった。私は掲示板程度なら長文とは感じず、まったく気にしなかったけれど。

 掲示板でカムアウトされた時、私はかなり動揺してしまった。経験も知識もなく、どう対すれば良いのかまったくわからない。しかも当時の私はクリスチャンを自認していて、LGBTQのような方々の性質を、改めるべき罪だと思い込んでいた。

でも「改めろ」などとはとても言えない。出来るものならそうしたいとAさん自身が一番願っていたと思う。だから肝心なことには触れないことしか書けなかった。

カムアウトの後、私の反応が鈍ったことをAさんは繊細に感じ取ったに違いない。私に負担をかけてしまったと気になさっただろうし、ご本人にとっても居ずらい場になってしまったのではないか。Aさんが書く頻度は減った。

 掲示板上だけのお付き合いだったので、サイトの更新をやめてからやり取りする機会は無く、本名も何も知らない。Aさんどうしているかな。今もカムアウトしていないなら、それはとても生きにくいだろうと思う。でも表明することで、また別の困難を呼び込むこともよくわかった。あるいはもう表明する必要もなく楽になってくださっていたら、と願う。

 本当は、友人としてのやり取りを続けたかった。彼が「G」の人であるかどうかは関係ない。あの掲示板で人生を考えさまざまな意見交換をしたことは、私にとって宝物だから。Aさんのことはその仲間だと思っているから。