20年前にDV当事者が集まる掲示板を作って自助をやっていたころの話。初めは被害当事者の女性ばかりだったのが、やがて男女問わず加害当事者を含む様々な人の参加があった。
当時の掲示板についての記事はこちら↓
今回は加害者を名乗った人たちの印象を書いてみる。当たり前ながら、ひとりひとり人柄も背景もまったく違う。状況は同居中・別居中・離婚済み、さらに婚姻関係以外のパートナーと別れた後の人など色々。
（今はもう驚かないけれど、タレントのりゅうちぇると同じ立場の人もあった。自分を偽り続けることに無理がきて妻に当たるようになってしまった、というのがDVの要因。だから私は、そうなる前にあの夫妻がカミングアウトしたことを支持せざるを得ない）
単なる私の感覚だけれど、たった数回の書き込みでも「この人は今は見込みないな」とか「この人は自分を変えることが出来そう」だと思うことがあった。
変われそうだと感じる人は、淡々として謙虚。それは自己卑下ではなく、変わることが難しいと理解しているから。一生油断できない努力の覚悟を感じると、この人はやり抜けるのではと思う。
そういう人の文章には人柄も出るし印象に残るので、どうしているかなと懐かしい。私は彼らを加害者という認識ではなく、友人だと思っている。
逆に「この人、今は無理」だと感じたのは「自分は生まれ変わりました！」等の宣言をしたりする、ハイテンションな人。うん？ これから生まれ変わるならまだわかるけど。
多分そういう人は、離婚されかけて妻の目を意識している。妻の要求で掲示板に来た人もあった。自助ということなど理解しない。
だからこちらのコメントも厳し目になってしまう。それで何か感じてくれればいいけど、そういう人はすぐ来なくなる。残念ながら、あの様子では離婚回避は出来なかったと思う。
逆に、とことん自己卑下する人もあって、鬱でつぶれてしまわないかと心配した。
一度離婚に舵を切った女性の気持ちを取り戻すのは、すご～く難しい。私に「夫のどこを見て別れない選択をしたか」と質問されたことがある。参考にしたい気持ちはわかる。
でも私は夫を見て決めたわけではない。まず私自身が変わろうとしたから。関係を変えるより自身を回復させる方が優先。
だから「妻が望むようにまず手を離してあげて、それから自分を立て直して。後にもう一度妻にプロポーズすれば？」と思う。離れた心を取り戻す方法をそのくらいしか思いつかない。
でも「一度別れたら取り戻せない」と恐れる人は、子どもをダシにしてでも妻を縛りたがる。縛られるほどに妻の気持ちは離れる。完全に失うよりはダメ元で一度離れるチャレンジをすればいいのに。
「妻を愛しているんです」と主張されると「ならば彼女の望みを叶えてあげて」と言いたくなり、「あなたの言う愛とは何ぞや？」と問いたくなった。（私も愛をわかっているとは言えず簡単には使えない言葉）
