いつか愛せる

DVのその後のことなど

母があった詐欺の話⑧「損害賠償請求」

 前回の続きです。民事として考える上でも、問題がふたつありました。1つは、母は訴訟まで起こす気はないこと。もう1つは、相手の居どころがわからないことです。

◆訴訟はしたくない 私がネットで損害賠償請求について調べたところ、損害賠償請求の多くは、まず示談交渉をするようです。万一それでお金が戻ればよし。相手に支払い能力がなければ母は無理は言わず、真摯な謝罪と一部の返金で満足するはずです。相手が謝罪の意思すら持ちそうにないので、法的に追い詰めあるいはプレッシャーをかけたい。私の望みは、これ以上母の負担をふやすことなく、母の気が済むようになってくれることです。

裁判をしないで済むなら良い方法だと思ったので、裁判を避けて損害賠償請求を使えるのか弁護士さんに質問しました。青文字が返信文です。

◆損害賠償請求 仰る通り、損害賠償請求をする際にはまずは内容証明を送って請求します。支払わない場合は、法的手続きを取る旨を予告しますので、訴訟提起などの法的手続きを取ることが前提になります。法的手続きを取らないのにこの文言を書くことはできません。

裁判所書記官が相手方に支払いを命じる支払督促という手続きがありますが、これも法的手続なので、支払督促を申し立てるという方法もあります。反論があると裁判になりますが、反論してこないのであればこの方法でもよいと思います。

つまり、相手が支払いに応じなければ裁判に至ることになり、最初からこちらに訴訟をする気がないのにこの手は使えないようです。

               

◆探偵と興信所 弁護士には相手の居所調査をする権限がない(住民票の調査はできるが実際の住まいとは違う)とのことで、公的書類を相手に届けるためには自分で探さなくてはなりません。私は初めて「探偵」というものを調べました。探偵と興信所はほとんど同じだそうで、両方の看板を掲げているところもありました。そして、やはりかなりお金がかかります。

◆調査の料金 事務所によって違いはありますが、現在つかんでいる情報によって料金が異なりました。母が知っている情報は、相手の「氏名」「住民票上の住所」「携帯電話番号」くらいです。出身地すら知りませんし、共通の知り合いもいません。現代では相手のSNSをつかんでいると、情報入手にかなり有利だそうです。とにかく多くの料金をとられる上に、必ず見つかる保証もありません。

 こういった情報を整理し、母に伝えて考えてもらうことにしました。また少し時間をかけることで、母の気持ちが変わる可能性もあると思いました。