6月は入退院のバタバタで、私も夫も亡くなった義母の誕生日をすっかり忘れていた。自分の誕生日も特にイベントはしなかったくらい(義母と私の誕生日は3日違い)
覚えていても精々お花を買って飾る程度だけれど、思い出さないのはちょっと申し訳ない。
「すみませんね~」😂と過去の誕生祝いを思い返した。生前は色々プレゼントもしたけれど喜んでもらえたのか。ある程度リサーチして選んでも、外すことはあった。
・ブラウス(まだ仕事していたころだから通勤に着てくれたとは思うけど、不明)
・アルゼンチンタンゴのCD(若いころ好きだったと聞いたので)
・高級ジャム(私が好きなチップトリーのママレードだけど反応は薄かった・・・)
・帽子(美容室に行けなくなったころで喜ばれたものの、一度しか使わず)
・扇子(暑い時に紙で煽いでいたから品のいい扇子を送ったけど、仕舞われたまま)
書いたらどんどん思い出してきた。義母は石原裕次郎ファンだったので、関連グッズを何度か進呈した。一度目はまだ義母が元気だったころ。裕次郎さんの13回忌メモリアルBOX「ワインと清酒」5千円くらいだったと思う。
予約が必要だったので、念のため事前にチラシで確認した「これを見つけたけどお誕生祝いにどうですか?」と。すると「あら!これ欲しくて買おうか迷ってたの」
だからプレゼントはとても喜んでもらえた。義父がまったくの下戸のせいか、義母もアルコールを飲むのは見たことがない。自分では買いにくかったかも。
ただ飲む気配はなく、何年も義母が寝ている部屋に飾ってあると聞いた。だから義母がリハビリ病院に入院した時、励みにしてほしくて「退院したらお祝いに裕次郎さんのお酒開けましょうよ」と提案し、同意してくれた。
でも退院後は生活環境の変化もあって「ワインと清酒、開けませんか?」と誘っても、余裕がなさそうなまま。清酒はまだしも、ワインは暑くなる場所に置きっ放しは駄目になるのではと心配だった。
要介護状態になってからプレゼントしたのは、裕次郎さんのアルバムのCD。これも聴いてくれたけれど、ある日ボソッと言われた。「この曲聴いてたころのこと思い出して切なくなっちゃったわ・・・」あららら。青春時代が楽しかったことを思い出して現状が悲しくなっちゃったのか。プレゼントしない方が良かったのかなあ。
そうしてまた何年か過ぎ、義父も義母も家を離れ施設に入居することになる。実家を取り壊す前の片付けの際、私は自分の母に手伝いを頼んだ。使える人が居そうな物は運び出してもらった。
裕次郎さんのメモリアルBOXは、2階の義母の部屋だった場所で埃を被っていたので、それも引き取ってくれた。多分もう飲める状態ではない。後から母に聞いてみたら「ワインは完全に駄目。清酒は料理酒として使ったよ」とのこと。
あれは誕生プレゼントとしてはどうだったのだろう? 渡したとき、義母には確実に喜んでもらえた。きっとしばらくケースの写真をニコニコ眺めたりしたと思う。
ならば、物理的には本来の価値を発揮できなかったワインと清酒も、良いプレゼントだったと考えていいのかな。