いつか愛せる

DVのその後のことなど

「共依存」再考に使ってもらえていた

 なんと10年も前に、自分の著書が論文で引用されていたのを見つけた! 驚くやら有難いやら···

書いたのは共依存について複数の著書をもつ研究者、小西真理子さん。大学院の准教授をされているらしい。論文のタイトルは「共依存」再考―フェミニズムによる批判の検討―

発表されたのは2013年。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rinrigakukenkyu/45/0/45_123/_pdf/-char/ja

 一方、取り上げてくださった私の本は、2010年に出したもの。(出版社の廃業でとっくに絶版ですが)

当初は2002年に単行本として800冊だけ自費出版した。ありがたいことに数回の増刷の後、2010年に出版社から文庫化のお話をいただき、8年後の状況を追記した。

小西さんが取り上げてくださったのは追記のある文庫版なので、私がその後も夫と一緒にいることが明確になっている。

 共依存を研究する方だから、素人が書いたマイナーな本にも目をつけてくださったのだと思う。私の本のタイトルは「いつか愛せる―DV 共依存からの回復」

             

 出版なんて、無謀なことをしたけど良かったなあ。もちろん一番読んでほしかったのは、自分と同じような経験をした人たち。そして次に読んでほしかったのが、支援や研究に携わる人。しかも小西さんは、まさに私が支援者に期待したことを主張するために利用してくださったと思う。

 共依存の概念が、私の回復に役立ったのは間違いない。でも、共依存症者が相手の暴力を引き出しているとする言説も多く、妻を暴力で死なせた夫の責任や量刑軽減の言い訳にもなった。私は当時からそれに反発していた。「😡ふざけるな!」

私は暴力の中で心病んだだけ。私の性格が共依存に陥りやすいタイプだとしても、結婚前から精神を病んでいたわけではなし。それに私は共依存症者としての治療もうけていない。学んだことを自分で実行しただけ。

共依存の概念は有用なものだと思う。でも共依存症者を悪者にする解釈をされてしまえば、誰もそれを活用できない。

 もうひとつ。DVの支援と言えば分離させるしかない中で、小西さんは「関係性や繋がりを保つなかで、解決の道を探りたいと願う声もあることも聞き逃してはならない」としている。その声のひとつとして、私を利用していただけた。

私も同意できるこれらの主張のために、使っていただけたことがとても嬉しい。「暴力は治りませんよ」「バタラーは変わらない」と、勝手に人のことを決めつける言説が、私は嫌い。なぜそう言えるの?あなたは神様??

(誰もが治ると思っているわけではなく、私は「決めつけられる」のが嫌なだけ。憎むならば感情だからあっても当然だけれど、人を否定することは選択や意志によるはず。自分がされて嫌だったことは人にもしたくない)

 論文を少し読み込んでから、感想を書きたい。でも、🥺専門家の文章だから難しいなぁ。多分フェミニズムについては端折って、わかる部分についてだけ書く。この方の著書も、できれば読んでみたい。図書館にリクエストしようかな。