いつか愛せる

DVのその後のことなど

自宅介護の始まり

 義母の入院中から義父が利用していたのは宅配のお弁当。夕飯分のみ届けてもらった。しかも介護対応のお弁当屋さんで、依頼しておくと弁当をテーブルまで運び、食事の際に飲む薬をお薬カレンダーから出しテーブルに置いてくれる。つまり薬の飲み忘れ防止に貢献する。

お薬カレンダーは簡単なものなら百均でも売っている。飲むタイミングごとにセット出来るポケット付き。

ただお弁当屋さんも食べるまでは居てくれないので、そこまでしても飲み忘れはある。テーブル付近に薬が落ちていることもあり、義父は落とした薬は拾わないと判明。

義母が退院してからは2人分頼んだ。こういった情報はケアマネさんから教わることが多い。地元の情報はとにかく豊富に持っていた。

 

 昼食と翌日の朝食用サンドイッチはヘルパーさんに頼んだ。義父は食欲に素直なので、勝手に翌朝分のサンドイッチを食べてしまったり、朝になっても食べなかったりで義母の気苦労のタネだった。

意識して水分をとるよう言われたが、お茶を出してもほとんど飲まない。おやつに出すバナナやヨーグルトも気が向かないと食べずに放置。あるいは変なところに隠すように移動され、誰も気づかず傷んで捨てる羽目になる。 

 義母がリハビリ病院に入るとき目標とした「自分でお味噌汁を作れるように」は、数回は実現できた。ありがたい。

わずかな時間しか立っていられないので、負担を減らせるよう出汁入りの液体味噌を持っていくと喜んで使ってくれた。台所に休憩用の小さな丸椅子も用意した。

 

 洗濯や通常の掃除は週に2回。義母が夜中に使用するポータブルトイレの手入れは毎日。義母も昼間はトイレまで歩いたが、夜は転んだりする危険のためそちらを使用。

選んだポータブルトイレは家具調で、ふたをするとどっしりした椅子になった。昼間の義母はほぼそこに座っていて、夜の使用時のみふたを開ける。

 買物も週に2回。ヘルパーさんがお金の明細を書くノートの他に、通信記録目的のノートもあった。毎日、どのヘルパーさんが何時に何をしたか記録される。ヘルパーさん同士の引継ぎ事項も書かれる。

 気になることがあれば書いてくれるし、こちらも時々コメントした。掃除の後、お風呂場の窓はしめてほしい、など。

ヘルパーさんが換気目的で開けてくれても、義母は寒くなって自分で閉めるのに苦労する。そんな微妙なことはたくさんあり、慣れるまで若干時間がかかった。

 

 介護保険は要介護度に比例して使えるポイントが増える。そして利用料は過去の収入によるので、義母の負担は1割、義父は2割。夫婦とも利用するので家事のポイントはなるべく義母の保険で・・・という工夫もできた。

 当初はポイント内の計画で問題なかったが、後に段々厳しくなって何を削るか悩んだ。限度を超えてヘルパーさんを長時間入れることも可能だが、もちろん実費になる。

 自分が払うときには忌々しく感じる介護保険だが、介護するときになって本当に「あって良かった介護保険!」と思った。