いつか愛せる

DVのその後のことなど

義実家売却契約は完了、でもまだ忙しい

 土曜日に無事、契約書を交わして義実家は不動産屋さんに売却した。でもその後も休む暇はなく、月末に家を引き渡すまでに全てを片付けつつ、義父が施設に入る準備もある。

<日曜日>

 一日くらいは休もうかと思ったけれど、やはりベッド周りを片付けに義実家へ行った。リースの介護ベッドを早く返却出来るように準備しなくては。

義母は重要な物を何でも手の届く枕元に置くため、ベッドの上が物でいっぱいだった。日替わりで見知らぬヘルパーさんも来るし、互いのために重要なものは盗まれにくい場所がいい。その気持ちはわかるけれど、狭くて寝にくくないかなと思っていた。

 紙類はほとんど捨て、義母が手書きした料理レシピのノート1冊だけは持ち帰った。煮込ハンバーグは夫にとってお袋の味のはずだから、覚えておきたい。どうしても感傷的になってつらいけれど、振り切って進める。

 2階の天袋の中も少し手をつけた。何十年分かの古い引き出物などが多く、未使用なのに変色した物もある。とりあえずバスタオル1点だけ持ち帰った。もし本当に義母も施設に入るなら荷物をどうしよう。2時間ほど汗だくになった。

          

<月曜日>

 循環器科医に呼ばれていたため、午前中だけ仕事を休んで病院へ。幸い夫はこの日も同行できた。でも9時から10時の間になると聞いていたのに、10時半になっても呼ばれず。

「会社行けないかも・・・」と諦めモードで義父の施設入居の書類作成などしていた。

 11時ごろやっと呼ばれると、義父の足の話(以前に指先が壊死して2本の指を切断済み)

ステントの手術をしたのに、片足の血流がもう片足の半分くらいしかないとのこと。医師からその件を本人に伝えると「家族の意向にまかせる」と言ったという。義父は少し前に夫に言った通り、すべてを夫に任せてくれているらしい。

私は治療してほしい気もしたが、それでは義父は施設に入る前にまた転院する羽目になってしまう。夫は循環器の治療はしない選択をした(後にそれが大正解となった)

 私は会社に「予定より遅れます」とメールを入れて会社に向かう。途中で銀行に寄り、義実家の売却代金の着金を確認した。すぐに司法書士さんへ報告し登記に行っていただく。

 

 ハラハラしっぱなしの義実家売却の、書類上の手続きは完了した。本当に助かった。

次は実家を引き渡すための仕事が山のようにある。物の多いあの家から必要なものを探し出して引き取らなくてはならない。

 その日、ヘルパーさんの派遣会社から「カギを返したい」という連絡があった。あんなにお世話になったのに、義両親はヘルパーさんやケアマネさんに最後の挨拶をする機会すらない

 ヘルパーさんの中には、ノンちゃんが亡くなった際に義母と一緒に泣いてくれたネコ好きさんや、仕事以外で病院の義母に会ってくれた人もいる。友達と呼んでもいいほどのお付き合いなのに、こんな風に急なお別れも多い仕事なんだろうなと思った。