いつか愛せる

DVのその後のことなど

義母の美容室事情

 よそ様の介護系ブログをいくつか読んでいて、義母の生前の美容室事情を思い出した。

まだ義母が少し歩けて、時々は自転車を押して(危ないので乗らずにつかまって歩くような感じ)買物にも行けたころ。

 美容室に行かなくなったのは、トイレが近くなったのに長時間待たされて不安だからとのことだった。義母は髪の手入れが出来ない時は、身だしなみのためネッカチーフで頭を覆っていた。

待たなくて済むように電話で予約したらどうですか?」と美容院の番号を調べて渡したけれど、それでも結局行かず。

義父が家にいる時でないと、犬と猫がいるので家をあけられない事情もあった。そして義父は自分の気分でどんどん外出し、義母は留守番を頼みにくい関係性もあったと思う。

夫や私から義父に「お留守番お願いします」と言えば簡単に聞いてくれたと思うけれど、義母は自分の体調が良いときに行きたいため、タイミングを計れない。だから「もういいのよ」といつの間にか諦めていた。

自営業で亭主関白だったからかなあ。義母は家族のために自分の都合はとことん後回しにする人だった。色々とややこしい戦前生まれ。

 やがて義母が倒れて入院した時のこと。義母は病院でハサミを借りて、長い髪をゴムで結んだまま自分でブッツリと切った。身だしなみより、回復のための効率を優先した義母の覚悟だったと思う。

その後、リハビリ病院に転院。そこは院内に美容室があったため、予約してやっと手入れをしてもらえた。良心的な金額だったと思う。

                 

 リハビリ病院を退院して自宅に戻った後は、もう歩いて美容室に行く選択肢は消えた。ケアマネさんから「訪問美容師」や「訪問理容師」が存在すると教えてもらった。ネットで探せば結構見つかる。

個人営業で担当地域や時間帯に制限があるけれど、ちゃんと道具を持って車で訪ねてきてくれた。高齢者や体の不自由な人の対応にも慣れた人が多いと思う。訪問料金が少し加算されるけれど、決して高くはなかった。

 美容師さんや理容師さんだけでなく、訪問サービスの種類は意外に多い。高齢化社会のおかげかな。歯科や眼科や整体師の訪問サービスもあった。開業医が外来が来ない時間帯に訪問してくれる。

ケアマネージャーは担当地域の情報には結構詳しい。必要があればダメ元でもどんどん聞いてみれば良いと思う。

 ちなみに義父の理容室事情は·····かなり早くから頭が寂しい状況だったから、自分でヒゲと一緒に剃っていた気がする😅