いつか愛せる

DVのその後のことなど

性加害・性暴力・性虐待の使い分け

 今まであまり意識していなかった言葉。今回のJ事務所の件では「性加害」「性暴力」「性虐待」どれを使う人が多い? 日本のメディアは「性加害」を使っている。

日本版性暴力対応看護師の資格を持つ飛紅真さんが「性加害」という言葉が使われることを批判していらした。

www.hikoushin.co

性暴力の専門領域や当事者活動の中には、「性加害」という実態がわからない、本質を突いていない生易しい言葉は存在しません。「性暴力」「性虐待」という言葉を使います。刑法の性犯罪規定にもそのような言葉は存在しません。

 なるほどなるほど。私はどう使ってきただろう? 

J事務所の件に限らず、明確に分けず自分のイメージで使っていたかな。

大抵は「性暴力」または「性的暴力」と表現した。「的」をつけるのは恐らく、私が多くのDV情報にふれて「肉体的暴力」「精神的暴力」「経済的暴力」などと区別してきたため。

「性虐待」には、行為が継続しても逃げられず、心身の損傷を伴う印象を持っている。例えば満員電車にいる痴漢には「性暴力」を使い「性虐待」は使わない。

 飛紅真さんがご批判の通り「性加害」では実態がわからず、軽い印象を持たれかねない。専門領域の方が真剣に言葉を区別してくださるのを、ありがたいなと思う。自分も今後は意識して使おうと思った。

今までに私が「性加害」を使ったとしたら、どんな時だろう。「加害」と「被害」を区別するために使ったことはあるかも知れない。それは、私が過去に掲示板でDVの「被害当事者」と「加害当事者」の双方と交流したため。今後はほぼ使わないと思う。

「絶対に使わない」と言えないのは、当事者への質問であえてぼかした表現にする可能性もあるから。(注:私は支援する立場ではないので、もし機会があっても当事者としてしか話さない)

              

 どの言葉にも共通するけれど、当事者は人前では言われたくないのではと思う。以前にどれかの記事にも書いた。病院にたどり着いた当事者が、順番を待つ間に嫌な目に遭うことがある。病院スタッフが医師への説明の際、他の人にも聞こえるボリュームで「DVの患者さん」と言ったとか。😠当然注目されてしまう。それはもう、二次加害だよね。そういう場では「性暴力の患者さん」とも言われたくない。専門知識のあるスタッフならそんなことはしないと思う。

「性暴力」「性虐待」も、状況を正しく表す際に適切な言葉。ただ、現場での使い所は難しいのかも知れないと思った。

 適切で、かつ当事者が第三者の前で言われても抵抗の少ない表現は無いか? たまたま夫と雑談してみた。

夫「セクシャル·バイオレンスは?」

私「長くて言いにくいし、あと一歩で歌になっちゃうね(桑名正博さん🎵)」

夫「まくら営業も本人の意思じゃなくて強制的なら、強制まくら」

私「首の矯正に使うまくらだと思われるよ」

・・・ふざけているわけではないけど駄目。今のところ良いアイディアが出ない。やはり場面によって使い分けるのかな。