いつか愛せる

DVのその後のことなど

親戚中でただひとり

 介護の話の続きを書こうとしたけれど、その時期の記録がグチャグチャで気が滅入る。今回は義父の家系の話を書こうと思う。

義父は10人兄弟だったらしい。なぜか家庭運の極端に薄い兄弟だった。その10人兄弟の次の世代では、同じ苗字を名乗る男子はたったひとり。むろん女子が名乗っても良いけれど、存在せず。たったひとりの男子が、我が夫という状況。

 10人もいて次の世代が夫ひとりって、どういうこと? と思った。10人のうちのひとりは若死だったそう。ひとりだけ極端に頭がよく独学で東大に合格したのに、授業料を払ってもらえなかった。入学出来ず絶望したらしい。事情は知らないけれど、夫の祖父は芸術家だったから、学問に価値を感じなかったのかな? その秀才はほぼ自殺に近い状態だと聞く。

 他の男性の兄弟では、結婚して先方の商売を継ぐため養子に入った人がいる。つまり苗字が変わった。他に独身を通した男性が3人だったかな。

女性の兄弟は、結婚したものの相手が早死にしたり、相手に裏切られて離婚したり。ひとりだけ他家に嫁いで女の子を産んだ。もちろん苗字は違う。

そんなわけで、結婚して家庭を維持していたのは10人のうち3人だけ。うちひとりは養子に出た人だし、ひとりは嫁に出た人。しかも女子しか生まれていない。

 だから苗字を継いだのは夫の父ひとりだけ。というわけで、夫は親戚中でたったひとりの男子だった。しかもひとりっ子。何かの呪い??先祖が悪いことした? 

          

 結婚後にそれを知り「もしかして私、責任重大なのかな」とチラッと思った。でも幸い、この苗字を残すことに誰もこだわっていない。地方では名家でなくてもあと取りにこだわる人がいると聞くけれど、それは無かった。

 DVの中で子どもを持たないと決めたことから、私が産まないと「この家系は途絶えるんだなあ」と思った。でも夫がそれをまったく気にしていない。お墓にも関心がない。(義両親と一緒にお墓参りした思い出はあるけれど執着がない)

少し前に言っていた。「呪いなら俺が終わらせてやる」

うん、そうだね。祝福は千代で呪いは三代まで続くと聞く。なぜかというと、三代の呪いでその家系はだいたい滅びるかららしい。

とはいえ、私は自分が呪われたとは思っていない。夫も否定的な意味で「終わらせてやる」と言ったわけではない。もし呪いがあるなら、行き先が無くなって空中分解すればいい

 ちなみに私は、ある時期に流行っていた霊能者の呪いの話は大嫌い。人を脅すことで儲けているように見えたから。もしそういう人にこの状況を話せば、ドヤ顔で呪いを連呼されそうな気がする。🙁余計なお世話だわ。