いつか愛せる

DVのその後のことなど

ペットを天に送る時

 ペット忌引きを導入した企業のニュースがあった。ペット1種類につき年に一度、最大5日の休暇をとれるとのこと。有給にすることの是非はともかく(←こういうのは悪用する人が出るから)方向性としてはうらやましい。

 思い出すなあ。結婚した数年後に、夫が高校生のころから実家にいた野良出身の愛猫ミツコが老衰した。私もよく知っている小柄な白い猫。きれい好きで人見知りせず、玄関で寝ているのを撫でると喉を鳴らしてくれた。あの子が死んでしまったら夫がどう荒れるかと怖かった、まだまだDV真っ只中のころ。

 案の定、夫は酔っぱらって私の職場に電話してきた。相手をすると仕事にならないので私は早退を決めた。

上司に何と言い訳しよう。私は「猫が死んで」とは言えず「友人が亡くなったので夫が不安定になってしまって···」と伝えた。あながち嘘ではないし。

自分の友人ならまだしも、夫の友人が亡くなって早退するのもどうかとは思ったけれど。(帰宅後の修羅場は思い出したくもないので書かないよっ😞)

 

 さらに思い出したのは、15年以上前だったかな。当時夫の実家に居たペットは、雑種の猫2匹(チャップ13歳とチビ1歳)に、犬1匹(ボス13歳:フレンチブルドック)

 年末近くに義父が心臓手術のため入院した。義母は一人暮らしの経験がないため、すごく不安だったらしい。それを慰めたのが動物たち。その子たちは、まるで義父の退院を待っていたようなタイミングで、たて続けに命を終えていった。

若い茶トラのチビは、拾われたときから猫エイズ白血病で、ずっと獣医さんに通っていた。そして義父の退院からすぐに力尽きた。次はペンギン柄のチャップ。義父が戻ったことで役割を終えたとでも思ったのか、やはり逝ってしまった。

 そして最後に残ったボスは、お散歩に連れていってくれる義父が大好きだった。歳とって弱ってはきたものの、義父の退院を喜んでいた。

けれど1ヶ月後くらいだったろうか。仕事に復帰した義父と義母が帰宅すると、ボスはたったひとり(1匹)で玄関で外を向いて息絶えていた。まだ暖かかったそう。もう少しで大好きなお父さんに会えたのに、と思うと切ない。ペットの最後の時にはそばにいてあげたいし、飼い主はそばに居させてあげたい。

 義父の不在時に支えてくれた動物たちを次々に失い、義母はペットロスで心身が不安定になってしまった。義父が少し家をあけるだけでも落ち着けなくなってしまう。

それで迎えたのが、箱入り娘のスコティッシュフォールド:ノンちゃん。

                               

 夫は古株のミツコを送った時点で「もう二度と動物は飼わない」と宣言していた。私も夫のペットロスはトラウマなので、どんなに欲しくても我が家は一生ペット無し。