いつか愛せる

DVのその後のことなど

イラスト「なんでも宣言する地震嫌いなせんちょう」

 このところ関東で体感できる地震が何度もあり、緊張が続きました。私は子どものころはちっとも怖くなかったのですが、苦手になったのはやはり大きな地震を経験したからでしょうか。そういえば来週は3月11日が来ますね。

またイラストとショートストーリーです。この絵が描かれて私が色を塗ったのはもう4~5年前だったと思います。

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 船長は平日の日中は留守番してくれます。暇つぶしにパソコンをすぐに覚え、動画と一緒に 歌ったり夫のアカウントで何か書いたりしていました。ある日、そこにグラっとやや大きめの揺れがきました。

「地震だ!」

             

 何かあると声に出して宣言します。その時も振り返って私に言ったつもりが、そこには誰もいません。誰もいないと余計に怖くなり、家の中をうろうろし始めます。揺れを感じないよう自分が動いて誤魔化すのです。それでも止まらなければとっとこ走り出します。 (危険が迫るとTシャツの色が変化する?)

            

 そして何かにつまずきます。ノートパソコンを蹴飛ばし、飲みかけのコーヒーカップを倒し、踏みつけたスナック菓子が粉々に砕けます。ますます混乱し恐怖と怒りでいっぱいになってついに叫びます。

「もう!止まれ~~~っ!!」

 シーン・・・・・やっと収まりました。静まった部屋でしばし呆然として、揺れが消えたことを確認します。涙と鼻水と鼻血も出ていま す。床はちょっとした惨状です。コーヒーをかぶって茶色くヨレた雑誌。転がったノートパソコン。靴下もコーヒーで冷たくなり、踏んだお菓子がジャリジャリと不快です。でもとにかく揺れは止まりました。

 するとまた振り返って誰かに宣言するのです。

           

「地震だった・・・(Bはぶ〜でのB・・・)」

そこに誰もいなくても、言葉に出して報告する習慣があるようです。私に「地震だった!」とメールがくることもあります。

私は「うん、こっちも地震でしたよ」と思いながら「無事ですか?」と短く返信します。