いつか愛せる

DVのその後のことなど

「あしたのジョー」を観ている

 「あしたのジョー」のマンガ連載開始55周年だそうで、52話のアニメが無料配信されているのを夫が見つけた。おかげでブログを書く時間が削られている。 

             

https://news.yahoo.co.jp/articles/1a6ce63992dd372560fb71de0b00503f3da24cf3

 毎日3話以上は見ないと配信期日が終わってしまうので忙しい。でもうれしい。私はリアルタイムのアニメ放送時は幼かったし、所々しか見ていない。原作を通して読んだのは中学生になってからですごく面白かった。

 あおい輝彦の声と演技はジョーにぴったり。あれほど悪っぽいセリフなのに、嫌な奴に見えないのは元アイドルの強みかな。テーマ曲もカッコよくて好き。尾藤さんいい声だ。さすがに私には合わなすぎるので、カラオケでは夫にリクエストしてきた。

 今見ると、舞台が日本とは思えないほど雑然としている。ドヤ街の風景や子どもたちの髪形や大人たちの生活も。貧しいけれど熱い。空気が違う。私も少しあの時代を知っている。

 アニメの作りは少々雑。帽子の色が途中で変わっていたり、怪我した手の包帯が消えたり復活したり。でも殴り合いの多い動きは迫力があってリアル。きっとボクシング好きなスタッフが参加したんだろうな。

 今日はまだやっとジョーがボクシングをやる気になったあたり。力石のテーマ曲も好きなので聴けるのが楽しみ。10代のころとは違った感想を持っている。

 段平さんって、ジョーに対してはまるでイエス·キリストのよう。何度裏切られても諦めず、自分のすべてを投げ出して情熱的にジョーを追い続ける。甘やかすけれどもボクシングに関しては超スパルタ。それがジョーの才能を開花させ猛スピードで成長させる。暑苦しい愛にあふれた名台詞「わしのジョー!!!」に感動する日が来るとは思わなかった。

 そして力石と会ってからのジョーも。闘いたいという目的ではあるんだけど。力石だけを見て力石と闘うことだけを考えている姿はまるで、恋しているみたい。熱い人だらけ。

 段平さんのもうひとつの名台詞は「あしたのために」。彼の言う「あした」はきっと、夢や希望や活力や生きる意味を総括している。ジョーが彼の生きる理由になった。

 私も夫もすでに、ジョーの最後が真っ白な灰になることを知っている。だから「ボクシングに出会わなかったらもっと長生き出来たのに」と言い合う。一方で、もし段平さんに出会わなかったら。きっと彼は「悪に染まってやはり早死にした」という結論に達した。だからあの出会いは必然。

 白木葉子の成長物語も楽しみ。子どものころには気づかなかったけれど、ジョーは口が悪いだけでなく鋭いことを葉子に言う。物語の最初のころのジョーが15歳、という設定なのは無茶だとは思う。頭良すぎ。それに、確か原作では15歳のジョーは幼くて国松くんにそっくりだった。