いつか愛せる

DVのその後のことなど

チャーハンを食べて介護の難しさを思う

 お昼に冷凍チャーハンを食べてふいに気付きました。義母の存命中、ヘルパーさんが使ったチャーハンはきっとこれだ!

 

◆義母の不満 当時、私は毎週末「お昼は何がいいですか?」と電話してから義実家に通っていました。昼食後はいろいろな雑務や片付けもしたけれど、義母は私がおしゃべりの相手をする方を喜んでくれます。

そのとき複数回聞いた愚痴のひとつが、ヘルパーさんが用意してくれるチャーハンの盛り方。平たいお皿に平たく乗せられているとのことでした。「せめてこんもりとさせてくれれば美味しそうに見えるのに」と。チャーハンといえば丸く山盛りにして提供されるのが普通です。義母ははっきりものを言うタイプでしたが「食事を作ってもらってありがたいのに文句言えないわ」と言っていました。 

             

◆不満が起きる事情 ヘルパーさんは決められた時間内に決められた家事や事務(引き継ぎの記録など)をするので、忙しいのはわかっています。私は「時間が足らなくて盛り方に気がまわらないんですかね~」となだめていました。義母は食べ物にはこだわるタイプで、食品の衛生面についても私より心配性でした。(お祖父ちゃんは和食の板前さんだったそうで)

ヘルパーさんが入る時間は決められていて、食べる直前に料理するわけにはいきません。早めに作って次の仕事に向かわなくてはならず、料理は食事の時間まで置いておくことになります。出来た直後の方が美味しいと思いますが、大抵は冷めてから食べていたようです。

◆配慮だったかも知れない 私は今回食べて知りました。チャーハンの説明書きには「皿に平らに盛ってラップをせずレンジにかける」と書いてあります。多分、熱の通り方を均一にするためでしょう。ヘルパーさんがお皿に平らに盛っていたのは、意味のあることでした。それでも、後から山盛りに整えるのにいくらも時間はかからない・・・

また思い当たりました。ヘルパーさんは「食べる直前に温め直すかも知れない」と考えた可能性もあります。もし温め直すならそのままで正解です。

◆細かすぎる家事の行き違い 家事のやり方は家によって千差万別でしょう。初めのころはヘルパーさんがお風呂掃除の後、多分換気のために窓をあけてくれていました。でも義母は自力で窓を閉められなくなっていたのです。それを聞いて私は連絡用ノートに「お風呂の窓は閉めておいてください」と事情を書きました。理解できれば互いに気持ちよくお付き合いできます。

もしそのころ私が冷凍チャーハンのことを知っていたら・・・でもやっぱり伝えるかどうか迷ったろうなあ。細かすぎて。ヘルパーさんと義両親の関係を悪くしたくないし、そのヘルパーさんがどういうタイプの方かもわかりませんでした。

 今日食べた冷凍チャーハンは美味しかったです。義母は味に文句を言ったのでなく、(板前の娘らしく)食べ物に配慮がほしかったのだろうなあ、としみじみ思い出しました。

◆余裕のないお別れ 思い出してヘルパーさんやケアマネージャーさんにお礼を言いたい事柄もたくさん出てきます。良くしてしてくれた方が何人もありました。本当は義両親が入院してお付き合いが終わった時点で、ちゃんとお礼を言っておきたかったです。でもあまりにも余裕がありませんでした。ご挨拶もしなかったばかりか、いつが最後にお会いしたタイミングだったかさえ記憶にありません。介護職の方には、そういうなし崩し的なお別れも多いのかも知れません。

だから書いておきます。介護の仕事をする方々の小さなモチベーションアップになってくれますように。「当時は伝える余裕がなかったけれど、ありがとうございました!」