少し前から色々な意味で気になっていたニュース、実父からの性虐待をうけた女性の告発です。具体的な描写は少ないですが、当事者に近い方が読む際はご注意ください。
『ママには内緒ねと言われ...』実父からの性的暴行を訴えた女性 親族は「親子で裁判なんかしてよいことあるわけない」「お金ならいくらでもあるから」と抵抗 一方で娘の被害に母は
https://www.mbs.jp/news/feature/scoop/article/2024/03/099346.shtml
◆身勝手な親族 彼女が顔も本名も出して告発できたのは、結婚した相手が強くささえてくれているからです。犯罪者はもちろんですが、夫さんの同席で被害を打ち明けた際の親族の言葉に私は腹立っています。「家族を売って気持ちいいの？」と言われたこと。
表沙汰になれば身内がその地域に住めなくなるという事情は理解出来ます。でもその親戚が言っているのは自分の都合だけ。取り下げてほしいなら、せめて彼女を脅すのでなくお願いするのが筋でしょう。
◆もし自分なら 実は少し前に、同様の経験を持つはてなブロガー矢川冬さんの「もう、沈黙はしない」を読んでいますが。そのときは具体的な描写があるため、入り込み過ぎないよう感情を半分閉じて読みました。だから少し遠巻きに見るような感想しか書けませんでした。今回のニュース記事は短いので大丈夫だと判断し普通に感情移入しています。そしてもし私がこの里帆さんと同じ年ごろに同じ目にあったら・・・と想像しました。すごく気持ち悪くて一瞬でやめました。
◆感情を切り離す 私も、間違いなく何事もないような振りをしたでしょう。「感情がなくなった」という彼女の説明も理解できます。私はおとなでしたが、DVの中でやはり自分の感情を殺しましたので。
里帆さんの被害は中学生からで、私が通学の満員電車で毎日痴漢にあうようになったのと同じ年ごろ。まだ自分が大人から性的対象と見られることなど考えもしませんでした。
◆自分が我慢する ひとりで抱え込むことも多分同じです。私さえ我慢すれば家族が壊れなくてすむと。子どものころの家庭崩壊は、地球が滅びるような怖さかも知れません。前述の親戚に言われたことなど、言われるまでもなく最初から考えて黙してきたはずです（と思うので私はまた親戚の言葉に腹が立ちます）
誰かに相談するのもかなり困難です。私は痴漢の被害でさえ同じく電車通学していた同級生にしか話せませんでした。
◆生き延びる力 最初から断固抵抗したり泣き叫んで助けを求める子もいるかも知れません。そう出来る子は生きる力が強い気がします。そもそも狙われにくいでしょう。性虐待の加害側はバレにくい相手を嗅ぎ分けますから。
私も素直で声の大きいタイプなら良かったのにと思ったことがあります。でも性質は正誤や善悪ではないし変えられません。それにすぐ大声で抵抗できるタイプの場合、相手や状況によっては殺されるリスクが高まりそうです。そう考えるとどちらが有利とも言えませんね。
◆想像力が無さ過ぎ なぜ何年も前のことを今さら発表するのか、という人は金銭目当てなど裏の意図を疑うのでしょうか。その手の言葉は当事者には二次被害です。もちろん冤罪もありえるし、営利目的で訴える人が絶対に居ないとは言いません。でも「今さら」ではなくやっと今、告発出来る状況になったと考えていただけないものか。自分と同じように苦しむ人を無くしたいから。世の中を変えたいから。
二次加害の発言をする人に、私は「想像力無さ過ぎシール」を作ってバシッと額に張ってあげたいです。
◆Googleの予測変換 嫌な連想をしてしまうことがありました。該当の記事をもう少し探そうと里帆さんのフルネームで検索しました。すると名前だけ入力したところで「⚪︎⚪︎里帆 かわいい」と予測変換されたのです。予測変換は「多くの人がよく調べている単語」をもとにしているはず。「⚪︎⚪︎里帆 父親」とも予測されましたが、それはわかります。でも何の目的で「かわいい」をつけて検索する人が多いのでしょうか。
◆検索の意図 若い女性ですし「かわいい」と思う人があるのはわかります。でもその検索をする意図は？ 性虐待の被害にあった人の顔が出る際はどうしても心配になります。若い女性は、アダルトビデオやエロゲーなどの素材同様に見られる可能性があるからです。思い過ごしであってほしいのですが。
もしそういう意味で検索する人が多いなら、世の中二次加害する人だらけということですね。自覚してもらうために「二次加害者シール」を作って送りつけたいです。
彼女の夫さんを始め周囲の人が彼女を支えてあげられますように・・・
