いつか愛せる

DVのその後のことなど

イラストで思い出した「宇宙皇子」

 イラストレーター「いのまたむつみ」さんの訃報で思い出しました。いのまたさんは小説宇宙皇子(うつのみこ)の表紙や扉絵を描いた人です。その後の活躍は残念ながら私は見ていないのですが、アニメのキャラデザインなどされていたようですね。

         

◆いのまたさんの絵 美しくて繊細なのに力強くて好きだったなあ。それに露出多めの女性を描いても嫌な感じがしませんでした。ちゃんと筋肉を意識して描かれたように感じますが、それでリアルに見えるのかな。ちなみに男性が描く女性キャラの肉体は、不自然な強調で私には気持ち悪い場合が多いです。いのまたさんは女性キャラだけでなく男性も、しかも線の細い2枚目だけでなく様々なタイプを描かれますね。

 亡くなったとは残念です。この件で宇宙皇子のことを思い出し記憶を引っ張り出していると、また妄想が止まりません。

◆小説「宇宙皇子」 読んだのは一体いつだっけ? 最後まで読んだ記憶がありません。Wikiでちょっと調べます。「地上編」「天上編」までは確実に読み終えた記憶があります。新刊が入る度に実家の近所の図書館で借りました。「妖夢編」「煉獄編」う~ん、わかりません。でも「肉体を賽の目に切り刻まれる」という地獄の描写を読んだ記憶があるので、もしかすると「煉獄編」は読んだのでしょうか。もう30年以上前ですが、そんな風に印象に残った部分がいくつもあります。

◆皇子の声 そもそも何がきっかけで宇宙皇子を読み始めたのでしょう。多分、友人がカセットブックの1巻を貸してくれたのがきっかけです。

そのカセットブックは朗読ではなく、声優がそれぞれの役を演じていました。子ども時代の皇子の声を演じた浪川大輔くんに感動したのを思い出します。「最近の(←すでに何十年も前ですが)子役はどうしてこんなにセリフが明瞭で上手なの?!」と。力強く孤独な幼い男の子が修行している時の雄叫びなんて、大昔の子役には演じられなかったでしょう。

後にたまたま観た「君に届け」で演じた風早くん役では、とっくに声変わりしていましたが透明感は変わらず。やはりお見事でした。

◆途中でやめた理由 なぜあんなに面白いと思った小説を途中までしか読んでいなかったのでしょうか。執筆された年を調べてわかりました。途中で私が結婚したからですね。結婚後は読む余裕がなかったのです。割とすぐDVに突入したので、当時住んでいた町の図書館には行ったことがないし場所も知りません。ずっと読書もできない生活だったのかと感慨深い(?)です。

◆過去の忘れ物 何十年ぶりかで続きを読んでみたくなりました。地元の図書館で検索してみると、ありました! どうしましょうか。どこまで読んだかも定かでないし、最初から読み直すと50冊くらいあります。書くのと違って読むのは早い方ですが、体力が・・・目・肩・腰がもちません。仕事に差し支えるのが目に見えています。

でも、何十年も前の忘れ物を見つけたような気分です。拾おうかどうしようか。仮に読めても当時と同じ感覚にはならないでしょう。結末を知りませんのでがっかりする可能性もあります。

でも当時の自分を発見することがあるかもしれません。取り敢えず、今度図書館に行ったときにはチラ見してきます。