義母の余命宣告の後、義父の入居先を探しながら、同時に義実家を売却するために動いていた。まず自治体の無料法律相談に行った話がこちら↓ 何とか後見人を依頼することなく売却する方法を引き出したかった。
運良く親切な司法書士さんに当たり(私に同情しれくれた?)手続きを始めたものの、印鑑証明をとれずに役所で呆然とした話がこちら↓
名義人である義母が署名できる状態ではないため、私は本局で聞いた書類を持って翌土曜日に分局へ行った。でも分局では「委任状がないとダメ」と印鑑証明の所得を断られた。
恐らくここでも私のタダならぬ雰囲気に同情して? 職員が後から電話をくれて「週明けに本局に確認します」と言ってくれた。
ここからは当時のことを記録したメモが見つかったので、もう少し詳しくご紹介。
週明けに電話をくれたのは、明らかに窓口で対応してくれた職員より上の立場の人らしく、感じも悪かった。
「本局に問い合わせましたが、その書類でいいとは言っていませんでした」
つまり私が嘘をついたか勘違いしたかのどちらか、ということ。相手は、こちらはまったく悪くないと言いたげな雰囲気。
私は押しの強いタイプではなし。引き下がれる状況ならもうとっくに諦めている。でも義母はいつ亡くなってしまうかわからず。そうすると義実家売却はかなり困難で、今後の介護費用が足りなくなる。
事情をまくし立て「誰かが義母の代わりにサインしても良かったのに、私はきちんとやろうとしているのだ」と訴えた。相手の感じが悪いのは不正を疑っているからだと思ったし。なおかつ私は少しばかりヤケになってきた。
「別人がサインして筆跡で見分けられますか?!」
「見分けられません」
「では別人のサインでも通るんですね?」
「それはどう判断するかわかりません」
「どなたが判断するんですか?!」
これには相手は答えられなかった。ちょっとだけザマーミロと思った。私はもう義母のサインをこちらで書くことに決めた。
「わかりました。あとはこちらでやります。お電話ありがとうございました」
考えてみれば、高齢化社会で委任状を書けない人などいくらでも居るはず。役所の方でも身内が委任状を書いた方が助かるのではないか? けれど役所側からは決してそうは言えない。初めから黙って自分で書けば良かったのかも知れない。
夫は「俺はお袋の筆跡をまねできる」と言うけれど、どうせ義母の筆跡を知られていない。それに夫の強い筆圧では不自然ではないのか。私が左手で書いたら、実にいい具合に力なくヨレヨレの文字になった。(念のため、この話は内緒です)